ノーベル賞の季節

毎年ノーベル賞が発表される週になると、SNSでは研究者のみなさんが研究に関する社会(特に報道関係)にお気持ちを表明するのが盛んになって、文字で秋を感じることができますね。

天然物化学分野では、基礎研究は将来何の役に立つのかわからないとかどんな応用ができるのかわからない、という主張をしたい人が、GFPの研究を錦の御旗として使うのが気になるところです。

GFPの応用は確かに素晴らしいことなのですが、発見と詳細な構造などの研究自体は、生命現象の生物化学的研究としてそれ自体に目的がしっかりとある独立した研究ですから、何の役に立つのか分からない的な主張の例として扱われるのは……って思ってしまいます。

イベルメクチンについても権威がゆえにおかしな主張に利用されてしまっていますし、どの方面の方も、ノーベル賞という権威を自分のために利用しているという状態なのが虚しいところです。