これまでに構造が明らかにされている、特定の小さい分子がつながってできている生体高分子(タンパク質など)のようなものではない化合物の中で、最も大きい天然有機化合物は、現在のところ(2025年9月)マイトトキシンで、3422です。
ただ、学会発表や紀要などでは、さらに大きな化合物の存在や部分構造は報告されています。
ヘテロカプサトキシン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tennenyuki/47/0/47_523/_article/-char/ja
分子量5000程度や8000程度
https://doi.org/10.1002/tcr.200900030
https://doi.org/10.1351/PAC-CON-11-09-32
これら以外にも、分子量5000程度の化合物を見つけたらしい研究グループの話を聞いたことがあります。ただ、いずれの研究グループも責任者の方が亡くなられたり退官されたりで、構造決定まで至っていません。
一つの化合物の構造解析をものすごい時間と手間で実施しないといけないので、成果の数も求められる現在ではなかなかじっくり取り組むのが難しい研究テーマになってしまっているのも、なかなか続報を聞かない一因でしょうか。
いずれにせよ、非生体高分子でどこまで大きな化合物を生物が生産しているのか、なぜわざわざたくさんのエネルギーを使ってまでそんな大きな化合物を作り、何に利用しているのか、気になるところではあります。
